第168章 彼は私の命を狙っている

有岡里穂は脇の椅子を引き寄せて腰を下ろし、おばあちゃんの隣に寄り添った。それから有岡爺さんに向かって、わざと明るく言う。

「おじいちゃんは長生きするの。百歳まで元気で、曾おじいちゃんのところになんて、そう簡単に行かないよ」

その言い方が可笑しかったのか、有岡爺さんは声を立てて笑った。

「そうそう、百歳まで生きねえとな。まだこの実験室、成果が出てねえんだ」

しばらく冗談を言い合っていたが、有岡爺さんはふと額を押さえた。

「……まだ頭が痛ぇな。そうだ、哲哉のほうはどうなってる?」

有岡里穂は笑みを引っ込め、真剣な顔になる。

「おじいちゃん。あの夜のこと、何があったか……覚えてる?」...

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